

東京のザ・レースセンター原宿では、去る2010年4月2日、6月4日、7月2日に、ダイアン・クライスによるレクチャーが行われました。一つのテーマに沿った3回完結のレクチャーから成るこのコースでは、ある貴族女性の人生物語りに関連するレースを辿り鑑賞することで、レースが人生における、あらゆる局面の一部であった事が解説されました。
第一回のレクチャーでは、貴族家系に誕生した赤ちゃんの幼少期に使われたレースに焦点を当てました。第二回のレクチャーでは結婚にまつわる歴史の解説、そして、第三回のレクチャーでは服喪のレース(モーニング・レース)が鑑賞されました。
レースの花嫁衣装や、ヨーロッパ上流階級の生活の秘密を巡る旅は、とても興味深いものであることが証明されました。参加者の方々は、レクチャーを聴きながら、ダイアン・コレクションからの繊細なレースに、実際に自分の手で触れる時間を楽しみました。
レクチャーを通して語られる、この貴族女性の誕生から晩年までの日々を聞きながら、参加者は、それぞれにこの女性の人となりについての想像を掻き立てました。つまりそれは、参加者各々が、ひとりひとり違った物語を体験し、ひとりひとり異なったシナリオを完成させたということです。
楽しく、センチメンタルで、素晴らしい人生の旅路を、私たちは共に駆け抜けました。アンティークのレースとともに、私たちは人生の浮き沈みを体験したのです。

第二回の結婚にまつわるレクチャーでは、19世紀に起源するティアラのいくつかが鑑賞されました。その中には、繊細なワックス・ティアラがありました。このオレンジ・ブロッサムはヴィクトリア女王時代に起源します。


繊細なティアラを次世代へと受け継ぐべく、ティアラを大切に収納・保管するために存在するはずの箱は、長い年月が経過する間に、既に失われていました。ところが、ある参加者のお一人が、このティアラにとても魅了され、その情熱で素晴らしい箱を手作りしてくださったのです。その女性の趣味がカルトナージュだとはいえ、その箱は完全にプロフェッショナルな作りでした。この3つのティアラは、今後大切に、この箱に保管されていきます。箱の蓋には、真珠のティアラが施されています。

この箱は、ブルージュのクライス・ショップの30周年のお祝いとして贈られました。レースを通して築かれた深い友情に基づいた贈り物を受け取ることができるとは、なんと素敵なサプライズでしょう。
この贈り物によって、「レースは確かに国境なき情熱である」ことを改めて確信し、強い幸福感がもたらされました。それは、文化を通した人々の交流です。レースの優美さと魅力は、世界中の人々の心と魂を豊かにしてくれるのです。

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