毎年9月の半ば頃、各地の紅葉具合を示す「もみじ前線」が北海道から始まり、11月下旬にかけて日本列島を中央〜南へとゆっくり南下します。東京や京都では、12月の初め頃まで紅葉の続く樹木も見られます。

秋のもみじは、美しく色を変化させて溢れるエネルギーを表現することで知られています。
春の桜のように、もみじの葉もまた、間もなく散ってしまいます。
はかない美は、いつも日本の人々の心を掴んできました。
奈良時代(710〜794年)より、日本の人々は池で船遊びをしたり、音楽を奏でたり、詩を作ったりしながら、紅葉を鑑賞する習慣を楽しんできました。
山の散策、紅葉狩りも同じ時代の初期に始まり、今でも多くの人々がこの習慣を楽しんでいます。
江戸時代、かつては伝統的な貴族の娯楽であった紅葉狩りが庶民の間に広がりました。庶民のために桜を植樹したことで知られる将軍吉宗は、紅葉でも同じ計らいをしました。

“もみじ”という名前は、“もみづ(紅葉づ、黄葉づ)”という動詞に由来するといわれています。昔の日本語で“もみづ“は、木々が色づくことを意味しました。ご存知のように、カエデ類は、数ある木々の中でもいちばん見事にその葉を赤や黄色へと変化させます。カエデ類が紅葉する樹木の代表であるということから、カエデを“もみじ”と呼ぶようになったとされています。
自然のあらゆるところに、レースを見つけることができます。冬の枯れ枝、雲の模様、風に吹かれて波紋を奏でる水面・・・もみじの葉もまた、繊細なレース模様を織りなしています。もみじの中には、“レース”の名がつくものもあるのです。

レースリーフを持つ日本のもみじは円蓋型の低木で、美しく枝垂れる性質をもっています。レースリーフのもみじは、レースのごとく繊細です。
秋の夕日に 照る山紅葉
濃いも薄いも 数(かず)ある中に
松をいろどる 楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの 裾模様(すそもよう)
渓(たに)の流に 散り浮く紅葉
波にゆられて 離れて寄つて
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦(にしき)
