ダイアン・クライスが世界的に有名な物語りにまつわるレース・デザインをご紹介します。

ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(1621—95)はフランスに産まれました。彼は動物が登場する寓話で世界的に有名になりました。寓話は普通、道徳的な教訓で締めくくられます。キツネとコウノトリは魅力的な物語りです。コウノトリを騙すキツネですが、最後には自分が騙されてしまうのです。
子供の頃、私の祖父がこのキツネとコウノトリの寓話を私に語ってきかせてくれました。初めてこの物語りを聞いたとき、私はとても悲しかったのを覚えています。私はそれまで、動物達は人間のようにお互いを傷つけ合ったりする事は無いと信じていたのです。私は動物達に色々なヒミツを打ち明けたりしていました。動物達は私の親友でした。私は動物達がお互いの感情を傷付け合ったりするなんて、想像もできませんでした。
私の祖父はこの寓話の教訓を教えてくれました。
「他の人にされて嬉しい事を、あなたも他の人にしなさい。これは重要なルールですよ。」と。
レースは単に目を楽しませるためだけに作られたのではありません。レースが大切なメッセージをおしえてくれる事もあるのです。
ダイアン・クライスのレースメールに掲載されているNo.18のポストカードは、このジャン・ド・ラ・フォンテーヌによる寓話“キツネとコウノトリ”をベースにしています。
キツネとコウノトリ
ある日、キツネさんがコウノトリさんを食事に招待しました。
コウノトリさんは招待された事をとても喜び、招待を受けました。
ところが、キツネさんは親切な振りをしていただけで、実はとてもずる賢い性格をしていました。
キツネさんは、どうやってコウノトリさんを騙そうかと考えていたのです。
キツネさんはとてもおいしいスープを準備しました。そして彼は、スープを平らなお皿で供したのです。

コウノトリさんの長いくちばしでは、平らなお皿から食べる事はできませんでした。
なんとかお料理をつかもうとするコウノトリさんでしたが、どんな努力も役に立ちません。コウノトリさんはとてもとても悲しい思いをしました。
キツネさんはぺろぺろと動く舌で、いとも簡単に自分のお皿を平らげました。
数日後、今度はコウノトリさんがキツネさんに食事への招待状をだしました。
迷う事なく、キツネさんはコウノトリさんの食事会への招待を受けました。
キツネさんは時間に遅れないよう、急いで支度をしました。
キツネさんは、お返しに招待してくれたコウノトリさんの親切さを讃えました。
コウノトリさんは、とてもおいしいお肉を一口サイズに切って、準備していました。おいしそうな匂いがキツネさんの食欲をそそります。キツネさんはとてもお腹が空いていました。
でもコウノトリさんは、キツネさんに前回の仕返しをするための料理の出し方を企んでいたのです。コウノトリさんは、細長い花瓶に料理を入れました。

細長い花瓶は、コウノトリさんにはとても好都合でした。
長いくちばしが、簡単に花瓶の口を出たり入ったりしました。
何をしても、キツネさんの口は花瓶の中には入りませんでした。
キツネさんは、頭としっぽを垂れて食事会を後にしました。お腹の空いたゲストは、料理を一口も口にする事なく帰って行ったのです。
コウノトリさんの仕返しは大成功でした。
おしまい

「LACE MAIL(レースだより)」
"Lace Mail"はダイアン・クライスのプライベート・コレクションより厳選されたアンティークレースの高品質カラー写真で構成されおり、それぞれのレースについての簡単な解説も添えられています。写真はポストカードとしてお使いいただけます。(カタログページもご覧ください。)