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メッヘレンレース



このレースは19世紀中頃に作られたと推定されるもので、極めて稀なアンティークレースの一作品です。そのサイズと、複雑で優雅なデザインから、これはメッヘレンレースの重要な作品例ということができます。このレースに添えられていたメモによると、もともとのレースのサイズは、長さ16メートル、幅12インチ(30センチメートル)とあり、通常のレースの2倍の幅があることがわかります。サルディニア王国の女王の一人が所有していたわれる、ほぼ唯一無二のたいへん貴重なレースです。

これは、まんざら信じられない話ではありません。というの、軽やかで優雅なメッヘレンレースは18世紀に大流行し、ヨーロッパ王族の宮廷で、服の装飾用としてたいへん好まれていました。サルディニア王国は、19世紀、非常に財に富んだ国で、イタリアのほぼ全土を覆い尽くしていたほどです。言うまでもなく、サルディニアの王族は、自分達の財を見せびらかすことに熱心でした。そして、ここで私たちが話しているような崇高なレースは、それにはもってこいの材料だったのです。



このレースでは、いわゆるアイスグランド、メッヘレン・レースメーカーたちのトレードマークであった、ピン無しで作られた六角形のグランドが際立っています。模様はぶどうとつる、そしてクーバーの葉の複雑な織り重なりで成り立っています。このぶどうとつるの模様には、キリスト教文化において、ある象徴的意味を含んでいます。ぶどうは秋(=死)を連想させると同時に、ワイン(教会での聖餐のワイン)を意味し、つまりはキリストの血(=不死)を暗示しています。


従って、死すべき運命と不死の要素を同時に合わせ持っているのです。これは、王は死に得るが、体制自体は生き続けるという王国における統治の本質を回想させます。

パターンの中にあるクローバーの葉は、メッヘレンレースではよく見られる特徴です。というのも、クローバーの葉はメッヘレンの紋章の一部に使われており、メッヘレンの都市自体を直接意味していたからです。